白斑の話
従姉妹20歳くらいの時、顔に白い斑点が出来ました。
その斑点はみるみるうちに大きくなり、頬の3分の2くらいに広がっていました。
親代わりの私の母は心配して、地元の皮膚科を受診させました。
原因はよく分からないのですが、相当数の患者さんがいる白斑という病気と診断されました。
特効薬とかそういうまた物はなく、定期的に紫外線を当てる事ぐらいしか出来ないと医師に言われました。
しばらく通院していたのですが、一向に良くなる気配はなく、紫外線を当てた部分が赤くただれ、見るからに痛々しくなっていきました。
そんな時、母親が新聞折込で、白斑に効果のあるらしい健康食品の広告を見つけました。
従姉妹は女の子だったので、顔のそういった事を母親はどうしても何とかしたかったらしく、結構なお金を払ってその健康食品を買い、従姉妹に与えていました。
その健康食品は、緑の藻みたいな成分で出来ている錠剤とドリンクで、飲むと便も緑になるようで、従姉妹は飲む事を嫌がっていましたが、せっかく母が買ってくれたものだからと、我慢して飲んでいたようです。
それでも、症状は回復しなかったので、地元の医師に紹介状を書いてもらい、県立の大きい病院に通院するようになりました。
そこでも、特に目新しい治療をするわけでもなく、週一回通院して、紫外線を当ててもらう治療のみでした。
先生曰く、この白斑という病気は、ある日突然良くなるわけでなく、色落ちした皮膚の一部に点のような感じで、肌色が出てくる。そしたら、そこがジワジワ広がって、色落ちした部分が目立たなくなる。との事でした。
素人のわたし達は、手っ取り早く皮膚移植とかはどうか?と医師に投げかけましたが、なにやら、難しい事をおっしゃっていたようですが、今やっている治療が一番だと言われたようです。
一年ほど通院していたところで、従姉妹は就職活動が有り、一般的なファンデーションでは色落ちしたところが余計に目立つという事で、医師に相談したところ、現在はあるのか分かりませんが、オリリという会社のカバーマークを教えてもらいました。
それは、普通のスーパーやデパートでは取り扱いが無いらしく、近所で取り扱っている美粧院をおしえてもらいました。
カバーマークは、何色もあり、それを混ぜて周りの皮膚に近い色にするとの事で、見た感じは、普通の化粧品のように見えました。
その、カバーマークのおかげかどうかわかりませんが、従姉妹は早々に内定をもらい、大学も週一回程度の通学で良かったため、治療に専念出来ました。
それから一年後、従姉妹の頬の色落ちした部分に黒子のようなものが出来ていました。
その、黒子の周りには、薄っすらですが、肌色になっていて、これは、よくなる兆しではないかと、わたし達家族は大いに喜びました。
顔の色落ちに気づいてから約3年。
やっと一歩進めた感じがして、嬉しいと同時にホッとした気持ちを今でも良く覚えています。
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それから20年。
従姉妹は無事結婚をし子どももいます。
色落ちした頬は、だいぶ目立たなくはなっていますが、何となくマダラです。
世の中には、わたしの知らない厄介な病気がたくさんあります。
治療にはお金や手間がかかり大変だと感じました。
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