manynoneko’s diary

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怒ってる相手をなだめるにはどうしたらいいのか

職場の若い社員が青い顔をしてやってきました。なにやら、お客様が怒っていて上司を呼んで来い!と言っているらしい。

若い社員に、何があったかを尋ねてみると、お客様の要求をお断りしたところ怒ってしまった。との事。

当方にもやれる事やれない事が有りますので、そこはきっちりお話ししてご理解を頂かないといけません。できない事を安請け合いして、結果お客様に迷惑をおかけするなんて事が一番くだらない事です。わたしは常日頃、できない事はちゃんとはっきりと伝えるよう指導しています。

 

しかし、わたしはその営業所の社員では有りません。たまたま、用事があってそこを借りて仕事をしていただけ。なのになぜ、わたしに相談をしてきたのか、若い社員に尋ねると、どうも、その若い社員の直属の上司が、逃げてしまったらしく、仕方なくわたしに助けをまとめたとの事。聞けば、よくある事のようですが、クレーム対応など、上司が出て行かないとならない局面に遭遇しても、なんやかんや理由をつけて逃げてしまうとか。今回も、そのいつもの事が起こり、困り果てた若手社員が、他部所とはいえ役付のわたしに助けを求めたという顛末との事です。

情けない話ですが、その直属の上司は、手柄の報告は率先してするのに、嫌なことからは逃げ出す。そんなとんでもない奴です。

仕方がないので、その若い社員に詳しい事情を聞き、わたしが対応する事にしました。

 

●何を怒っているのか

まず、お客様が何に対して怒っているのかを確認します。若手社員の話によると、先方の要求を飲まなかったから。と言っていますが、果たしてそうでしょうか?いい年をした大人が、そんな聞き分けのない事を言うのか少し疑問でした。実際に、要求が強く、聞き分けの悪い人もいますが、体感的にそんな人は多くはないような気がします。

出来ない。と言われた怒り出すような人はお客様として願い下げです。

しかし、身内の話を鵜呑みにするのは危険です。怒られた側の理屈で理不尽な事があったとしても、立場が変われば全く違う見解なんて事はザラです。相手の立場になって。なんて綺麗事とは違います。利害が違えば見解も違うという話です。あくまで、お客様側の言い分で何に怒っているのかを明確にしないと、いつまで経っても丸くは治りません。

また、呼んで来いと言われた上司が、怒っている相手に対して擁護するような事を言うのは逆効果です。相手の言い分があまりにも理不尽でなければ、呼ばれた上司はお客様の味方ですよ感を出す事によって一体感を演出します。

 

わたしがお客様と相対し、まず、ご不快な思いをさせてしまった事に謝罪したところ、先方が、先週出来ると言った事を、今日になってやっぱり無理だって言ってきた。理由を聞いても、それがルールだから変えられないの一点張りだった。と言っています。

ああ…そういう事かと思いました。

若い社員が知らなかったから伝えなかったのか、言いづらくて伝えるのを先延ばしにしたのか。まあ、そんなところだと思います。

再度、ご迷惑をおかけした事について謝罪の言葉を述べいきさつを説明します。

本来では対応はできない旨。しかし、取引振りを勘案して担当部署に掛け合った旨。それでも、今回はルール通りの運用で収まってしまった旨。わたしの口から説明しました。

 

解説しますと…

お客様の取引は大事だから特別扱いしたかった。上層部と交渉したが力及ばず思い通りの結果を残せなかった。立場上、これ以上掛け合うのは非常に厳しい状況。大変心苦しいがルールに沿った運用で承諾いただきたい。

こんな感じの説明です。

 

●言い訳はしない

こちら側としては、努力したが結果が出せなかった。という思いがあります。しかし、ここでそれをぐちゃぐちゃ言っても、お客様には関係のない事です。お客様が求めているのは結果であって経緯の素晴らしさではありません。

本音を言えば、あんたのために努力したのにそんな言い方はないだろ!なのかもしれません。しかし、そこをぐっと抑え、努力が垣間見える、しかし、嫌味にはならないそんな言葉を選んで説明します。

 

●着地点を設定する

怒ってしまってる相手は、何もないのに揚げたてを降ろす事は中々難しいです。

なので、双方が、妥協できそうな着地点を設定してそこに向けて交渉します。

設定する着地点はどこでも構いません。

求めているものが10だとしたら、1〜2の歩み寄りで大体収まります。

人間関係が出来ていれば、わたしの顔に免じて。でも良いのかもしれませんが、今回は初対面ですので、それは使えません。

結局、通常2週間ほどお時間いただく作業を、10日で完結させる。で着地させました。

この歩み寄りは事前に若い社員と打ち合わせをして、約束破りにならない期日をあらかじめ確認しておき、お伝えしました。若い社員からは1週間で大丈夫との回答がありましたが、万が一、その期日が過ぎてしまった場合、関係修復はますます難しくなります。余裕を持って10日で話をし、納得いただけました。

 

●まとめ

今回わたしが話した内容です。

 

前回お会いした際にお約束した件について、本社の担当部署と交渉をしてまいりましたが、ルール通りの運用をお願いするよう言われてしまいました。

いつも良くしていただいているお客様との取引ですので、担当としてはなんとしても。との思いがありましたが、力及ばずこういう結果となってしまったと報告を受けております。

本来であれば、当初から難しい旨、お伝えしておくべきで、常々わたしとしても担当にはそう指導していたのですが、先程も申しましたように、何とかしたいという思いが先走り、お伝えするのが今日になってしまったとの事です。

ご迷惑をおかけした事について大変申し訳なく思っており、担当の指導はわたしが責任を持って行い、再発防止に努めます。

つきましては、それ以外のところとなってしまいますが、期日を前倒しし、10日で結論が出るよう努力いたします。

ご容赦いただけないでしょうか。

 

こんな感じです。

怒っていたお客様は納得されました。

しかも、あんなに怒っていた若手社員に対し、いつも良くやってくれている。あまり厳しく叱らないでやって欲しい。とわたしに言ってきました。その言葉を聞き、若手社員も思わず、申し訳ございませんでした…と蚊の鳴くような声でお客様に謝罪してました。

お客様も、こちらもちょっとカッとなってしまって…と照れ臭そうに言っていました。

 

はれて一件落着ですが、問題は逃げ回る直属の上司です。

良い事は率先して報告しますので、これは、部下の手柄を横取りしている行為なのですが、そんな事もあり、社内評価は案外高いようです。

しかし、トラブルを収められない役付は必要ありませんので、わたしの口から人事部に事の顛末を報告させていただきました。

 

おわり。

増税前に…